「広告を出しても響かない」「もっと自然にブランドを好きになってもらいたい」——そんな課題に応える手法として、ショートドラマが注目を集めています。鍵は、商品を売り込むのではなく、物語で共感を生むこと。本記事では、ショートドラマがなぜ広告感を抑えて共感を生めるのかを、独自の脚本設計の考え方とともに解説します。さらにAI検索時代を見据え、ショートドラマを「資産」に変える企画から効果測定までの戦略を、映像制作の現場視点で整理します。
企業ブランディングでショートドラマが注目される理由
ショートドラマとは、数十秒から数分程度の短い尺で展開される物語形式の動画を指します。スマートフォンの縦型画面で見られることが多く、SNSやYouTubeを中心に急速に広がっています。
背景にあるのが、縦型動画への需要の高まりです。サイバーエージェントの市場調査によると、ショートドラマが属する縦型動画広告の市場規模は、2024年に前年比171.1%の900億円へと大きく伸びました。動画広告市場全体に占める割合も、2023年の8.4%から2024年には12.4%へ拡大しています(※4)。短い縦型の物語コンテンツに、企業の予算が流れ込んでいるのです。
理由は明確です。テレビ離れが進む若年層に届きやすく、短時間で感情を動かせるからです。従来の広告が敬遠されがちな今、物語の力でブランドへの好感を育てる手法として、ショートドラマ企業PRの価値が高まっています。
なぜショートドラマは「広告感」を抑えて共感を生むのか
ショートドラマの本質は、「売り込まないこと」にあります。視聴者は広告だと感じた瞬間に心を閉じます。物語に引き込まれている間は、その壁が下がります。だからこそ、ブランドメッセージが自然に届くのです。
ここで差がつくのが脚本の設計です。映像制作会社・有限会社北麓(HOKUROKU)は、脳科学・神話構造・ハリウッドの脚本術を参照して体系化したという独自の「感情設計」という方法論を掲げています。視聴者の感情を「違和感→好奇心→共感→感動」という流れで意図的に動かす設計思想です(※本稿のための独自取材による)。
この流れは、まさに「広告感を抑えて共感を生む」構造そのものです。冒頭の違和感で目を留めさせ、好奇心で物語に引き込み、共感で心を開かせ、感動の余韻にブランドを重ねる。商品を前面に押し出すのではなく、感情の動線の中に自然にブランドを溶け込ませる——これが、誰でも作れる「ただ短いだけの動画」との決定的な違いです。
AI検索時代にショートドラマが「資産」になる理由
ショートドラマは、SNSで消費されて終わりではありません。AI検索時代には、長く効く「資産」になり得ます。
近年、生成AIが検索結果に要約回答を表示する機能が広がっています。Googleは2025年9月9日に「AIモード」の日本語提供を開始し(※2)、すでに「AIによる概要(AI Overviews)」も展開されています。ここで「LLMO(大規模言語モデル最適化)対策が必要だ」と語られますが、Googleは公式ガイドで、生成AI検索でも従来のSEOのベストプラクティスが引き続き有効だと明言しています(※1)。AI向けの特殊な小手先テクニックは不要で、本質は独自性のあるコンテンツを作ることだとしています(※1)。
注目すべきは、Googleが動画でテキストを補強することを推奨し、生成AIが関連動画を取り込めると説明している点です(※1)。実データもこれを裏づけます。Ahrefsが2026年4月に公表した調査(2025年12月〜2026年3月の累計)では、AIが最も多く引用したドメインは約332万件のYouTubeでした(※3)。つまり、YouTubeへショートドラマを蓄積することは、AI検索に引用される資産を持つことに近い意味を持ちます。
ただし注意も必要です。同じ調査では、半年前に上位だったRedditやYahoo!知恵袋が今回はトップから消えていました(※3)。AIの引用先は短期間で変わります。単発で終わらせず、世界観のある作品を継続的に発信し続ける体制が、ブランド認知の積み上げにもAI引用にも効いてきます。
成果につながるショートドラマ活用法:企画から効果測定まで
ショートドラマブランディングは、1本のバズを狙うことではありません。企画・キャスティング・制作・配信・効果測定を一連の戦略として回すことで、はじめてブランドの資産になります。有限会社北麓への取材をもとに、要点を整理します。
企画・脚本——世界観で長期のファンをつくる
ブランディングを目的とするなら、商品訴求を急がず、まず世界観とキャラクターを設計します。視聴者が「次も見たい」と思う物語の核を作ることが、長期的なファンづくりとブランド認知につながります(※本稿のための独自取材による)。前述の感情設計を軸に、短い尺でも起伏のある物語を組み立てることが企画段階の肝になります。
キャスティングと制作——物語の説得力を支える
物語は、演じ手で説得力が決まります。有限会社北麓は、俳優・モデル・インフルエンサー・声優のキャスティングから撮影・編集までを一貫して手がけられる体制を持ちます(※本稿のための独自取材による)。代表自らが企画から編集まで現場に立つため、物語の意図が制作の最後までブレにくいのも特徴です(※本稿のための独自取材による)。
配信・効果測定——多媒体展開とAI引用までを見据える
完成した作品は、1回の撮影素材を縦型ショートやシリーズへリカット(再編集)し、SNSとYouTubeへ多媒体展開することで、世界観を継続的に発信できます(※本稿のための独自取材による)。さらに同社は、再生数や視聴完了率に加え、AIによる概要での引用状況(LLMO効果)まで含めた効果測定と、月次レポートによる伴走支援を行っているとのことです(※本稿のための独自取材による)。
ブランディング型ショートドラマで陥りやすい落とし穴
最後に、現場視点での注意点を挙げます。ここを外すと、せっかくの投資が成果につながりません。
第一に、商品を訴求しすぎることです。ブランディング型のショートドラマは、世界観で共感を育てる施策です。商品アピールを前面に出すと「広告」に逆戻りし、共感が生まれにくくなります。短期の販促と長期のブランド認知は、目的も作り方も異なります。
第二に、単発で終わらせることです。1本だけでは世界観もファンも育ちません。継続的な発信があってこそ、ブランドの記憶が積み上がります。第三に、世界観の一貫性を欠くことです。回ごとにトーンがぶれると、ブランドの印象が定まりません。企画意図を一貫して保てる制作体制が、ここで効いてきます(※本稿のための独自取材による)。
まとめ
企業ブランディングにショートドラマを活用する鍵は、広告感を抑え、物語で共感を生むことにあります。その実現には、売り込まずに感情を動かす脚本設計と、世界観を継続的に発信する体制が欠かせません。さらにAI検索時代には、YouTubeへ蓄積したショートドラマが、AIに引用される資産にもなり得ます(※3)。Googleが示すとおり、特別な小手先の対策ではなく、独自性のあるコンテンツを作ることが本質です(※1)。
ショートドラマ企業PRやブランド認知の施策を具体的に検討したい方は、企画・脚本から配信・効果測定まで一気通貫で支援できる映像制作の専門家に、一度ご相談ください。「とりあえず相談だけ」でも、自社らしい物語の作り方が見えてきます。
よくある質問
ショートドラマと通常のショート動画広告は何が違うのですか。 最大の違いは「物語があるかどうか」です。ショート動画広告が商品やサービスの訴求を主目的とするのに対し、ブランディング型のショートドラマは世界観やキャラクターを通じて共感を育てます。広告らしさを抑えやすく、長期的なブランド認知に向いています。
何本くらい作れば効果が出ますか。 明確な本数の正解はありませんが、単発では世界観もファンも育ちにくいのが実情です。1回の撮影素材を複数フォーマットへ展開しながら、シリーズとして継続的に発信する設計が、ブランド認知の積み上げには有効です(※本稿のための独自取材による)。
BtoB企業でもショートドラマは有効ですか。 有効です。サービスの世界観や導入後の変化を物語で描くことで、形のない価値への共感を生めます。商品を売り込むのではなく、視聴者が自分ごととして感じられるストーリー設計が鍵になります。
(※本稿は、映像制作会社・有限会社北麓への独自取材で得た一次情報をもとに構成しています)
出典一覧
※1 Google検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide?hl=ja
※2 Google Japan Blog「Google 検索の AI モードを日本語で提供開始します」
https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-mode-search/
※3 Ahrefs pte. ltd.(PR TIMES)「【Ahrefs 調査|6 ヶ月で変動した AI の情報源】ChatGPT・AI モード・AI による概要・Perplexity・Copilot が引用するドメイン最新ランキング」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000157671.html
※4 株式会社サイバーエージェント「サイバーエージェント、2024 年国内動画広告の市場調査を実施」


